75|グラスの製造方法、成形方法、加工方法13
皆さん、こんにちは🎵
先週のお話は、手造りグラス工場によく行き、社長や現場の職人たちとよく話をしている木本硝子の親父だからこその、現場情報になります。
グラスの製造工程は、①原料の調合 ②溶解 ③成形 ④徐冷 ⑤仕上・検査 ⑥梱包・出荷のプロセスになります。①②についてお話してきました、③の成形について宙吹きと型吹きによる成形方法について、お話しましたので、今回は、型吹きの進化系(笑)である細足成形についてお話したいと思います。
細足とは、ワイングラスやシャンパングラスのように、グラスの下に足がついているものを言います。口元をリム、上部をボウル、足の部分をステム、底の部分をプレートと言います。
なんでグラスに足がついているのか///ボウル部分を持ちながらワインを飲むと手の熱でワインが温まってしまいます。グラスの持ち方は、諸説ありますが、立食のとき以外は、なるべくステムを持ちワインを呑みましょう。
細足成形も、基本的には型吹き成形と同じです、最初は高温に熱されてどろどろに溶けているガラスを猫壺のなかから、吹き棹に巻き取り下玉を作ります、こちらのポイントは吹き棹を手早く回しながら吹き上げるのがポイントになります。
下玉を取ったら、別の職人に棹を渡します、水を十分に浸み込ませた新聞紙と混合剤で、飴細工のような要領でやわらかいガラスを卵型の形に、回しながら整えていきます。
卵型の形に整ってきたら、また少し息を吹き込み下玉を膨らませてから、猫壺の中に入れて上玉を巻いて膨らませます。それを金型の中に回しながら、肉厚が均一になるように丁寧に注意して吹き込みます。
金型に入れて吹きあがったグラスの底には、出べそのような突起物があります、突起物のガラスが柔らかくなるようにバーナーで熱しながら、作業ベンチの職人に渡し、ボールの大きさや厚みなどを意識しながら、出べその部分を器用にそして丁寧に、回しながら優しく引っ張って、伸ばしていきます。ステムの足の細さや長さ、形状はこの作業で決まります、職人が器用に匠の技を使って、ステムを作っていることが分かると思います。
ワイングラスの足の部分であるステムを引っ張り上げたら、今度はプレートの部分を作ります、猫壺から必要な分量のガラスを巻き取り、ひっぱりあげて造ったステムの底に付けて、回しながら平べったい底の部分プレートの状態に仕上げていきます。
このように、型吹きで吹いた、ボールの出べそ分を引っ張って、ステムを作るやり方を引き足、足の部分をボールにつけて成形する方法を付け足と呼んでおります。引き足のほうが、ボールからのシルエットが、自然に流れるようなシェープに見えます、またステムの形状が六角形や多面形の場合は付け足の製法を使います。
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