66|グラスの製造方法、成形方法、加工方法4
皆さん、こんにちは🎵
グラスの種類についてお話していますが、グラス業界でちょっと前までは、クリスタルというと鉛が入っているか、入っていないかの話になります、現在は一部メーカー以外では、鉛の入ったクリスタルは造られていません。一方、一般のお客様は、クリスタルと聞くと高級なイメージになることが多いです。グラス業界も世代によってクリスタルの意味が違うし、お客様のイメージとも違う、ちょっとややこしい話ですが、クリスタルという言葉が一つなので今回は、クリスタルの組成についてお話しますね。
クリスタルガラスはソーダガラスと比べて、高級で高価ですが、重量感、金属音のような音・透明な色・輝きに優れています、中世に発明されたクリスタルグラスは、原料に酸化鉛を入れて製造しておりました、鉛と聞くと危ない危険なもののイメージですが、酸化鉛という化合物になっており、無害です、ISOや食品衛生法の基準があり、厳しく管理されていますので、クリスタルグラスは安全なものと言えます。
とは言え、原料である、酸化鉛を製造工程で使うために鉛を使わない、クリスタルグラスが近年たくさん発明され、現在は鉛を使用しないクリスタルが主流になっています。
酸化鉛を含むクリスタルは、酸化鉛の含有量によって3種類に分けられます。
1.full Lead Crystal(フルレッドクリスタル)
酸化鉛の含有量が30%以上のクリスタルガラスです。最高品質のクリスタルガラスで、光沢があり、重みがあり、美しい音色が鳴ることで知られています。但し、30%以上の酸化鉛を入れると性質上小さい泡がグラスの中に入ってしまいます、イギリスのウォーターフォードクリスタルなどは、泡が入っているからフルレッドクリスタルと言っておりますが、一般のお客様は、高級なクリスタルに泡が入っている??なんてという感覚になります。
2.Lead Crystal(レッドクリスタル)
酸化鉛が24%〜30%未満、含まれているものです。こちらが一般的なクリスタルグラスです、24%PBO、24%クリスタルという表記やシールを見たことがあると思います、カガミクリスタルやチェコの一部メーカーが現在も生産しています。HOYAクリスタルやフランスのARCなど世界中たくさんのメーカーが造っておりましたが、現在は全て製造しておりません。
3.Semi-Lead Crystal(セミレッドクリスタル)
酸化鉛が10%〜24 %未満、含まれているものです。業界では、セミクリスタルと言われており、東洋佐々木ガラスなどが現在も生産しております。
酸化鉛を含まないクリスタルのことを.Crystaln(クリスタリン)と呼びます、酸化鉛以外のバリウムや亜鉛、カリウムなどの金属化合物を入れて開発されました。これらの成分を単体もしくは複合で10%以上含む物をクリスタルグラスまたはクリスタリンと呼びます。ソーダグラスとは別に定義されています。ヨーロッパでは製品材質に対する呼称規制として1970年代にすでにEEC基準として規定され、現在はEU基準として引き継がれています。ソーダグラスと比べ、屈折率、透明度が高く、鉛クリスタルに近いのが特徴です。一般的には、環境にやさしいガラスと言われています。各メーカーによって組成が違い、ブランド名も違います。
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