70|グラスの製造方法、成形方法、加工方法8
皆さん、こんにちは🎵
東京は異常な猛暑が続いております、夕方になるとゲリラ豪雨の来襲、茨城や神奈川、九州では地震と心落ち着き事がないですね、先ずは健康第一、くれぐれも水分をしっかりとって、熱中症への注意と、食事・睡眠をしっかりとって体調管理に務めましょう。
お盆休みを頂きましたので、1週間空いてしまいましたが、グラスの製造工程のお話を続けていきたいと思います。
前回が原料の調合でしたので、今回は溶解についてのお話です。
粉末にした原料を調合し混ぜ合わせた原材料(バッチと言われています)を高温で溶融します、グラスは成形前、約1400℃にまで熱され溶けていて、約600℃で冷え固まります。その間、グラスが最高に美しくなる一瞬を逃さずに捉えてカタチにすることが、素晴らしいグラスを造り上げるポイントになります。
グラスを溶融する装置を、窯(かま)と呼んでいます。窯には、大きく分けて「るつぼ窯」と「タンク窯」があります。
「るつぼ窯」は、通称猫窯(ねこつぼ)と呼ばれているように、猫が座ったような形になります、円周上に8本くらい並べて、外側に口が向いて原材料を入れて、高温で溶かします。こちらの窯は、365日24時間連続して溶かし続けていきます、手造り硝子工場では窯炊きと呼ばれる、溶解作業を管理する職人が居ます、昼夜連続勤務になりかなり厳しいですが、この窯炊きの職人の腕で仕上がる生地の良しあしで、出来上がるグラスの品質を左右するといっても、過言ではありません。
一日の製造が終わる時間近くになると、窯炊き職人は原材料をねこつぼに入れる準備をします、原材料だけを溶解するより、カレット(成形工程で詳しくお話します)と呼ばれる、グラスを造った後ででる余分な部分を入れることで、溶解温度が下がり熱効率が上がります。
原材料とカレットを入れたねこつぼは、夕方から徐々に温度が上がり、1500℃の温度で水あめのように、ドロドロの液体になります。明け方になると、ドロドロに溶けた水あめの状態だと、生地が柔らかすぎて成形ができないので、成形できる温度まで生地の温度を下げて、職人たちが出勤して成形するのに最適な温度に準備します。
原材料は、粉の状態なので、これを高温で溶かしていくと、粉と粉の間に空気が入って泡になってしまいます、グラスに泡が入っていると商品として価値が下がってしまうので、窯炊き職人は、泡が極力入らないように工夫して、窯の温度を調整工夫します。
また、昼間の成形作業している間に、生地の量が減ってくると、生地の状態も変わってきます、生地の状態が変わると、成形作業や商品の仕上がりにも影響するので、窯炊きは昼の間も気を抜くことがありません。
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