20|グラスの歴史 木本硝子のチャレンジとグラス製造のお話3
問屋がなぜ残っているのか?木本硝子はなぜ生き残ったのか?
問屋の機能の面から皆さんにお伝えしていきます。
今回は前回の一つ目の機能「需要と供給の調整」に続き、二つ目以降の機能です。
②物流の効率化
メーカー・小売業間における物流の効率化は問屋が担っています。
卸売業がない場合、商品を製造したメーカーは各々が小売業を回り、自社の商品を納入する必要がある。しかし、小売業の店舗が一つのメーカーに求める商品の数量は限られているため、少量の配送を数多くの店舗に対して行なう必要が出てくる。配送効率の悪さは明らかです。卸売業者が物流を担うことで、複数メーカーの商品をまとめて小売業に届けられるため、物流面が効率化されています。
③多様な商品の取り扱い
3つ目は、複数メーカーの商品をまとめて扱うことで、多様な商品の提案が可能となる点になります、各メーカーからそれぞれ商品提案を受けても、小売業としては売場全体の最適化を考える必要があるため、問屋/卸売業が複数メーカーの商品を取りまとめることで、小売に対して魅力的な提案が可能となります、木本硝子も多数のメーカーとの取り組みで、販売先である小売店に対してベストの品ぞろえ提案をしておりました。
小売業としては、価格交渉だけを考えれば各メーカーと直接やり取りをするほうが有利に進められる。しかし、メーカー・商品ごとに交渉する手間を考えれば現実的ではない。卸売業が仲介することでまとめて交渉が可能となり、小売業にとっても効率が良いです。
④店頭の販売促進サポート
複数メーカーの多様な商品を取りまとめる卸売業だからこそ、店頭においても魅力的な提案が可能となる。例えば、ジャンルの異なるメーカーの商品を並べて陳列することで、ついで買いを促したり、店頭の販売促進サポートを通じて得た消費者に関する情報は、貴重なマーケティング情報となる。最新のトレンドや消費者動向をメーカーに還元することで、より良いモノづくりにも貢献している。
⑤円滑な代金回収
メーカーが商品を生産してから消費者に届くまでには、長い期間を要する。その間にもメーカーは、生産ロットや多数のアイテムを抱えているため在庫リスクも抱える、また次の商品の開発や生産を進める必要があるため、どのタイミングで販売代金の回収ができるかは重要な問題です。
卸売業が仲介することで、メーカーは卸売業者に納めた時点で代金が回収できるため、新たな投資や生産へのスムーズな資金の流れが可能となる。卸売業は金融面においても、重要な役割を果たしています。
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