53|グラスの歴史 日本のグラスメーカー、手造りグラス工場について23
皆さん、こんにちは🎵
先週に引き続いて、日本のグラスマーケットに多大な影響を与え、グラスマーケットを大きく拡大させたカメイガラスについて、お話していきたいと思います。
手元にある一番古いカタログが1989年(昭和64年・平成元年)のものです。
先回は、カメイガラスが復刻させた薩摩切子や江戸ビードロ、長崎硝子のシリーズについて、
お話しました。そして先週からは輸入品の扱いアイテムの紹介で、先ずはフランスARC社のグラスについて、お話しました。某パン屋さんのキャンペーン商品として有名なフランスARC社に続いて、ドイツのワルター社のお話をします。
Walther Glas社はドイツにあったプレス専門のグラスメーカーです、1865年に設立された、ドイツの老舗ガラスメーカー。ドイツの職人によって生み出される質の高い商品は、ドイツだけでなく、ヨーロッパ、アメリカでも人気で、日本はカメイガラスがほぼ独占的に販売していました。
世界でプレス(皿、鉢、バスケット、花瓶など)を中心にグラスを製作していたのは、前述の日本の曾我硝子、長谷川硝子とドイツのワルター社が2000年前後は大手のメーカーでした、その後、中国やインドネシア、トルコなどでも作られるようになり、価格競争、販売激化により3社とも現在は廃業してしまいました。
ワルター社の大ヒット商品はカルメンシリーズです、大柄の花柄が小鉢や大皿、花瓶などに入っており、グラスのアイテムとしての広がりもたくさんあり、そのグラスに色を付けたり、サンドブラストで白の装飾を施したりしたものが、毎年大量に販売されていました。
ドイツの深い森の中にある工場は、環境対策にも昔から取り組んでおり、排水や熱処理、グラスの製造後に出るごみなども、環境に配慮して処理していました。ワルター一族の経営をM&Aで外部の会社に売却してからは、デザインも営業スタイルも変わってしまい、廉価なアイテムに負けてしまい廃業してしまいました。
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