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  • 11月 6, 2024

    77|グラスの製造方法、成形方法、加工方法15

    皆さん、こんにちは🎵 グラスの製造工程は、①原料の調合 ②溶解 ③成形 ④徐冷 ⑤仕上・検査 ⑥梱包・出荷のプロセスになります。①②についてお話してきました、③の成形について宙吹きと型吹き細足成形、プレス成型について、お話してきました。今日は、圧迫製法についてお話したいと思います。   圧迫製法は、プレス製法に似ていますが、プレス製法が矢型、目金型、胴型の3つのパーツで構成された金型に溶けたガラスを入れて、機械の圧力によって押して形を整えて、成形する方法に対して、圧迫製法は、金型に圧縮空気を入れながら、成形する方法です。半自動化した型吹きの製法で、ビンや一輪挿し、醤油注しなどの量産品の成形に適しています。金型に文様を入れることによって、ビンや一輪挿し、醤油注しなどに文様が入ります。   日本国内で、食器を圧迫製法で製造している工場は、数か所しかなくなってしまいました。 昭和世代では、花を生ける一輪挿しが飛ぶように売れて、一輪挿しにいろんなテクスチャー文様が入ったものや、青やピンクの色が入ったグラスの一輪挿しが人気でした。 花瓶も、近年はシンプルな円形やスクエア型の角形、サイズもたくさんの花が入り、大きく広がるように生けるスタイルが人気になり、一輪挿しの需要が減ってしまいました。   醤油入れ、ソース注ぎなども、昭和世代は町の食品販売店で一升瓶を買って、家で如雨露(じょうろ)を使って、醤油注しやソース注ぎに入れて使っていました、スーパーなどで家庭用の小容量のパックに入った、醤油やソースが売られるようになったのは、昭和40年代後半と記憶しております。入れ替えせずに手軽に変えることから、瞬く間に家庭に広まり、それと共に醤油注し・ソース注ぎの需要も減ってきました。 但し、中華料理店や街の食堂などでは、相変わらずガラス製の醤油注し、ソース注ぎ、辣油入れなどが、テーブルの上にあり、現在も現役で使われています。こちらの醤油注しなどの調味料関連だけの食器を扱う専門業者もおり、現在では世界各国から注文が入ってきています。   小樽や諏訪などの、ガラスの博物館や専門店が連なる観光地で人気なのが、醤油注しです、特に小樽では、国内外の観光客が必ずと言ってよいほど、買って帰るお土産の定番になっています。 ガラス製は、洗いやすく汚れにくい臭いもしないということ、また注ぐときに容器の下に尻漏れしないことで、昭和時代の硝子醤油注しを知らない世代が新しい商品と思って購入されて帰るようです。  

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  • 10月 21, 2024

    75|グラスの製造方法、成形方法、加工方法13

    皆さん、こんにちは🎵 先週のお話は、手造りグラス工場によく行き、社長や現場の職人たちとよく話をしている木本硝子の親父だからこその、現場情報になります。   グラスの製造工程は、①原料の調合 ②溶解 ③成形 ④徐冷 ⑤仕上・検査 ⑥梱包・出荷のプロセスになります。①②についてお話してきました、③の成形について宙吹きと型吹きによる成形方法について、お話しましたので、今回は、型吹きの進化系(笑)である細足成形についてお話したいと思います。   細足とは、ワイングラスやシャンパングラスのように、グラスの下に足がついているものを言います。口元をリム、上部をボウル、足の部分をステム、底の部分をプレートと言います。 なんでグラスに足がついているのか///ボウル部分を持ちながらワインを飲むと手の熱でワインが温まってしまいます。グラスの持ち方は、諸説ありますが、立食のとき以外は、なるべくステムを持ちワインを呑みましょう。   細足成形も、基本的には型吹き成形と同じです、最初は高温に熱されてどろどろに溶けているガラスを猫壺のなかから、吹き棹に巻き取り下玉を作ります、こちらのポイントは吹き棹を手早く回しながら吹き上げるのがポイントになります。 下玉を取ったら、別の職人に棹を渡します、水を十分に浸み込ませた新聞紙と混合剤で、飴細工のような要領でやわらかいガラスを卵型の形に、回しながら整えていきます。 卵型の形に整ってきたら、また少し息を吹き込み下玉を膨らませてから、猫壺の中に入れて上玉を巻いて膨らませます。それを金型の中に回しながら、肉厚が均一になるように丁寧に注意して吹き込みます。 金型に入れて吹きあがったグラスの底には、出べそのような突起物があります、突起物のガラスが柔らかくなるようにバーナーで熱しながら、作業ベンチの職人に渡し、ボールの大きさや厚みなどを意識しながら、出べその部分を器用にそして丁寧に、回しながら優しく引っ張って、伸ばしていきます。ステムの足の細さや長さ、形状はこの作業で決まります、職人が器用に匠の技を使って、ステムを作っていることが分かると思います。 ワイングラスの足の部分であるステムを引っ張り上げたら、今度はプレートの部分を作ります、猫壺から必要な分量のガラスを巻き取り、ひっぱりあげて造ったステムの底に付けて、回しながら平べったい底の部分プレートの状態に仕上げていきます。 このように、型吹きで吹いた、ボールの出べそ分を引っ張って、ステムを作るやり方を引き足、足の部分をボールにつけて成形する方法を付け足と呼んでおります。引き足のほうが、ボールからのシルエットが、自然に流れるようなシェープに見えます、またステムの形状が六角形や多面形の場合は付け足の製法を使います。  

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  • 10月 15, 2024

    74|グラスの製造方法、成形方法、加工方法12

    皆さん、こんにちは🎵先週まで、アメリカNYからシカゴ、デンバーを回ってロスアンゼルスまで、アメリカ大陸の東海岸から西海岸まで、アメリカ大陸横断の出張に行っておりました。木本硝子のプロデュースする、日本酒専用グラスの紹介と、料理・日本酒・グラスの新しいライフスタイル、トリプリングのプレゼンに各地を回って、たくさんの日本酒販売店、レストラン、鮨屋などの皆さんに、ご説明してきました。   ワインにワイングラスがあるように、日本酒にも日本酒のグラスが有っても当然ですよねって、心強い言葉をたくさんの皆さんに頂きました、また酒蔵・飲食店・グラスがチームとなってお客様に喜んでいだたけるスタイル、トリプリングについては強く共感頂きました、ありがとうございます。   さて、本題に戻ります(笑) グラスの製造工程は、①原料の調合 ②溶解 ③成形 ④徐冷 ⑤仕上・検査 ⑥梱包・出荷のプロセスになります。①②についてお話してきました、③の成形について宙吹きと型吹きによる成形方法について、お話しました。   木本硝子のグラスのほとんどが、型吹きによる成形方法です、もう少し現場ならではのお話をしていきたいと思います。 グラスの表面は、つるつるですよね、なぜでしょうか?金型に溶けたグラスを吹き込んで造り上げると、表面にしわや、金型にグラスがくっついたりとしてしまいますが、なぜか透明でツルツルですね。 実は、金型の内側に松脂とコルクなどを混ぜ込んだものを塗っています、溶けたグラスを棹で金型に吹き込む前に、金型にシャワーのように水をかけます、金型を冷やすことも目的の一つですが、松脂とコルクの混ぜ込んだものに水を含ませ、溶けたガラスが吹き込まれた瞬間に、水は水蒸気になり金型と吹き込んだグラスの間に空間ができます。その空間の中で、グラスが浮いたような(ミクロン単位の薄さです)な状態で、グラスが吹きあがるので、グラスの表面は透明でツルツルの状態になります。   金型に吹き込んでグラスは造られますが、金型には大きく分けて二種類あります、抜型と割り型になります、抜型はその名の通り吹き込んだグラスが、そのまま抜ける金型になります、グラスの底がやや細くなっている円錐形に近い形のグラスなどが、抜型で造られます。割り型は、2つ以上の金型が組み合わされて造られていて、接合部分が可動式になっていて、金型が開く状態と、閉じてグラスを吹き込む状態になります。どちらの金型も前述の通り、松脂とコルクを混ぜ込んだものを塗って仕上げます、こちらの混合レシピは各工場の秘伝になっています。

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  • 10月 7, 2024

    73|グラスの製造方法、成形方法、加工方法11

    皆さん、こんにちは🎵約一か月近く海外出張に行っていたため、こちらのお話はお休みさせていただきました。今週から、復活してグラスの製造工程から、お話を続けていきたいと思います。   グラスの製造工程は、①原料の調合 ②溶解 ③成形 ④徐冷 ⑤仕上・検査 ⑥梱包・出荷のプロセスになります。①②についてお話してきました、③の成形について前回は宙吹きによる成形方法について、お話しました。   宙吹きは、吹棹と呼ぶ鉄製パイプの先に、熔けたガラスを巻き取って空中で吹棹を回しながら、ハサミや 洋バシなどの道具で形を整えて吹き上げます。 ガラスの吹き加減が難しく、冷えて固まってしまわないうちに吹き上げるには高度の技術を要します。主に花瓶などの成形に使われています。   今日は、手造り硝子の中でたくさんのグラスを造っている、型吹きによる成形について、お話していきましょう。型吹きは、造りたいグラスの金型をつくり、その金型の中に棹に巻き取ったガラス種を吹き込んで成形する方法で、宙吹きと比べて、成形も安定しており、生産数量も多く出来ます、コップやワイングラスなど、我々が生活の中で使われているグラスはほぼ型吹きによって製造されています。   型吹き(息を吹き込んで成形するのでブロー成型とも呼ばれています)の行程は、先ず1400度に達した原料は完全に溶解しています。これをグラスが巻き取りやすく、成形しやすい温度である、1200度ぐらいまで冷し 猫壺の入り口から吹き竿に溶けたガラスを少し巻き取ります。それを作業ベンチに運び、鉄リンというボール状の道具で形を整えた後に、息を吹き込みます。これが「下玉」と呼ばれる、第1層目のガラス玉です。これを冷ました後にもう一度、ガラス玉を炉のポットの中に入れて2層目を重ね巻きして、形を整えてガラスが柔らかいうちに、吹き竿から息を吹き込み、丁寧に金型に吹き込みながら入れて、膨らましていきます。   下玉から2層目のグラスを猫壺から巻き取ったグラスの形を整えていくのは、以前は濡れた新聞紙に手で持って溶けたグラスを回しながら形を整えていましたが、現在は新聞紙の質が変わったようでカーボン製の不燃布を使っている工場が多いようです。   職人が巻き取るグラスの量や、息を吹き込み方、力の入れ具合、角度や成形している工場の温度湿度によっても、グラスの厚みや風合いは変わってしまいます、職人たちは、同じサイズ・厚み・形になるように、一つ一つ丁寧に丹精を込めて息を吹き込み、成形しています。

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  • 9月 9, 2024

    72|グラスの製造方法、成形方法、加工方法10

    皆さん、こんにちは🎵出張が重なり先週はお休みを頂きました、来週9/15から3週間ほど、アメリカを東西に渡り回ってきますので、その間もスミマセンお休み頂きますので、ご理解よろしくお願いいたします。   グラスの製造工程は、①原料の調合 ②溶解 ③成形 ④徐冷 ⑤仕上・検査 ⑥梱包・出荷のプロセスになります。①②についてお話してきましたので、いよいよ③の成形についてお話していきます。   グラスを造る真骨頂が成形です、中世からの続いている技術をベースに、たくさんの先輩たちが作り上げたたくさんの技術・成形方法によってグラスは造り上げられています。   職人が手造りで造り上げる成形方法と、オートメーションで作り出されるグラスの成形方法は少し違いますが、基本となることは同じになりますので、先ずは手造り硝子の成形方法のお話をして、その後オートメーションでの成形方法を補足してお話していきます。   手造り硝子の主な成形方法は、①宙吹き②型吹き③細足④モール⑤プレス⑥圧迫⑦スピン⑧延ばしとあります、いずれの製法も1300℃以上に高温で溶かしたグラスを成形していきます、溶かしたグラスは水あめのような状態ですので、温度が高すぎるととろとろの状態で形を作り上げることができません、また温度が低すぎると固まってしまい、形を変えることができないです。非常に微妙な温度の幅でグラスを成形します、季節の温度差、窓の開閉による風の具合、湿度との関係など、溶かしたグラスの生地を成形するのに最適な状態に保つことは、溶解の温度と状態のコントロールと同じように、デリケートなコントロールが必要になります。   宙吹き(ちゅうぶき)は、ガラスの成形技法のひとつで、1,300℃以上に熱せられたガラスに筒状の「吹棹」と呼ばれる道具で巻き取ります。 その吹き竿に息を吹き込み、ガラスをふくらませながら製品の形を創りだしていく技法です。型を使わずに空中で形を成形する技法です。型を使用しないため、一つひとつ大きさが微妙に異なるので、世界でたった一つのオリジナルの作品が創り出されます。また、職人の息を吹く強さなどで大きさが変わるので、職人たちの技量がある程度無いと、きれいに形を作ることができません。 型にガラスを流し込むのではなく、溶解炉などで高温融解したガラスを吹棹 (ふきざお)と呼ばれる金属管に溶けたガラスをつけ、棹を回しながら息を吹き込み、風船のようにふくらませる“吹きガラス”の手法は、紀元前1世紀ごろにシリア地方で発明されたといわれます。鉄パイプに巻き取り、口で空気を吹き込んで作るため「吹きガラス」という名前になりました。造るグラスは、コップ、ぐい飲み、ボール、皿、花器など様々なガラスの器です。      

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  • 8月 27, 2024

    71|グラスの製造方法、成形方法、加工方法9

    皆さん、こんにちは🎵連日の猛暑ですが、夜になると虫の音が聞こえてきたり、風が殺人的な暑さからちょっと和らいできた気がします、長期予報ですと11月まで暑いと言われております、くれぐれも水分、栄養、睡眠を取って体調管理に努めていきましょう。   先週の溶解で、猫窯(ねこつぼ)のお話を致しましたが、可愛い、現物を見たいという嬉しいメッセージも頂きました、ありがとうございます。   手造りグラス工場は、1400℃に溶けた生地を成形する、ある意味大変危険な場所で、熟練の先輩たちに習った職人が、最新の注意と最高の技術で造っている戦場です、基本的には一般のお客様をご案内できる設備や安全策が無いので、実際の工場を見ていただく機会は少ないです、you tubeなどでご覧いただけると嬉しいです。   https://www.youtube.com/watch?v=QGUVkUD1aXI&list=PLpfjdFFCDh8z3JXtbuNu3wyRhFFIFX6lQ&index=3   大量生産するオートメーション製造の場合は、「るつぼ窯」ではなく「タンク窯」の溶解になります、大きいプールのようなところに、投入された原料が、炉の中で高熱高温に熱せられ、約1,500℃で溶けていきます、グラスを溶かす炉は蓄熱層と溶解層、作業層に分かれており、ガラス原料はグラス素地へと徐々に変化していきます。   ガラス原料を溶かすための熱源は、古代は石炭でしたが、現在は石油、ガス、電気などが使われています。ガスが扱いやすく、温度も上がりやすいので一番使われています。都市ガスは、あらかじめ空気を混ぜて送られているため、燃焼効率が良く、1400℃~1600℃と高温になります。比較すると、ろうそくの炎のオレンジの部分は、約960℃です。火の場所により温度が違い、中心部が最も高温になります。   猫窯を使う、「るつぼ窯」の手造りグラス工場では、ガスを燃やした高熱の空気を循環させて、高熱の空気で更にガスを燃焼させて、より効率的な溶解温度になるように、設備が工夫されています。   タンク式の溶解を行うオートメーションの工場では、溶解炉全体をガスで高温にして、蓄熱層と溶解層、作業層の中で、溶解層の製造段階では、ガスを炉の上から原料に向かって炎をバーナーのような状態で直接火を当てて溶解していきます。   グラスと硝子瓶を製造するプロセスはほぼ同じですが、窓ガラスなどの板ガラスも溶解工程はほぼ同じになります、次回からは、調合・溶解の次のステップ成形についてお話します。    

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  • 8月 21, 2024

    70|グラスの製造方法、成形方法、加工方法8

    皆さん、こんにちは🎵 東京は異常な猛暑が続いております、夕方になるとゲリラ豪雨の来襲、茨城や神奈川、九州では地震と心落ち着き事がないですね、先ずは健康第一、くれぐれも水分をしっかりとって、熱中症への注意と、食事・睡眠をしっかりとって体調管理に務めましょう。   お盆休みを頂きましたので、1週間空いてしまいましたが、グラスの製造工程のお話を続けていきたいと思います。   前回が原料の調合でしたので、今回は溶解についてのお話です。   粉末にした原料を調合し混ぜ合わせた原材料(バッチと言われています)を高温で溶融します、グラスは成形前、約1400℃にまで熱され溶けていて、約600℃で冷え固まります。その間、グラスが最高に美しくなる一瞬を逃さずに捉えてカタチにすることが、素晴らしいグラスを造り上げるポイントになります。 グラスを溶融する装置を、窯(かま)と呼んでいます。窯には、大きく分けて「るつぼ窯」と「タンク窯」があります。   「るつぼ窯」は、通称猫窯(ねこつぼ)と呼ばれているように、猫が座ったような形になります、円周上に8本くらい並べて、外側に口が向いて原材料を入れて、高温で溶かします。こちらの窯は、365日24時間連続して溶かし続けていきます、手造り硝子工場では窯炊きと呼ばれる、溶解作業を管理する職人が居ます、昼夜連続勤務になりかなり厳しいですが、この窯炊きの職人の腕で仕上がる生地の良しあしで、出来上がるグラスの品質を左右するといっても、過言ではありません。   一日の製造が終わる時間近くになると、窯炊き職人は原材料をねこつぼに入れる準備をします、原材料だけを溶解するより、カレット(成形工程で詳しくお話します)と呼ばれる、グラスを造った後ででる余分な部分を入れることで、溶解温度が下がり熱効率が上がります。   原材料とカレットを入れたねこつぼは、夕方から徐々に温度が上がり、1500℃の温度で水あめのように、ドロドロの液体になります。明け方になると、ドロドロに溶けた水あめの状態だと、生地が柔らかすぎて成形ができないので、成形できる温度まで生地の温度を下げて、職人たちが出勤して成形するのに最適な温度に準備します。   原材料は、粉の状態なので、これを高温で溶かしていくと、粉と粉の間に空気が入って泡になってしまいます、グラスに泡が入っていると商品として価値が下がってしまうので、窯炊き職人は、泡が極力入らないように工夫して、窯の温度を調整工夫します。   また、昼間の成形作業している間に、生地の量が減ってくると、生地の状態も変わってきます、生地の状態が変わると、成形作業や商品の仕上がりにも影響するので、窯炊きは昼の間も気を抜くことがありません。  

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  • 8月 6, 2024

    69|グラスの製造方法、成形方法、加工方法7

    皆さん、こんにちは🎵 グラスの素材別の特徴で、ソーダグラス、クリスタルグラス、ホウケイ酸グラスとお話してきました、今回からは、製造工程のお話をしていきます。   中世から始まったグラスの製造は、手造りで造られた時代から、機械のオートメーションで造られる時代に変わっても、基本的に同じ製造工程で、設備もグラスを溶かす熱源としての石炭から石油、電気等に変わっても大きく変わっていません。   時代の革新が無い業界なのか、元々の技術ポテンシャルが高かったので、変革・革新があまり無いのか、見方は変わりますが。ある意味、素晴らしい製造技術が脈々と伝えられています。   グラスの製造と硝子瓶の製造方法は、設備の大小はありますが同じプロセスになります、そのため、ガラス瓶メーカー(市場規模が大きい)である石塚硝子が、食器のアデリアグラスを東洋ガラスが、東洋佐々木ガラスでグラスを製造販売しているのも、同じ製造プロセスであることがポイントになります。   製造工程は、①原料の調合 ②溶解 ③成形 ④徐冷 ⑤仕上・検査 ⑥梱包・出荷のプロセスになります。   原料の調合は、ソーダグラスの素材で説明した、珪砂・ソーダ灰・石灰などを溶かしやすく細かく砕き、均一になるように混合します。混合したものをバッチと呼んでおります。   珪砂は、所謂砂ですので地球上どこでも採れますが、グラスの原料になるものは不純物が少ないこと(不純物が入ると透明になりません)、粒が細かく(一般ガラス向けでおおむね0.5mm以下)溶けやすいことなどの条件があり、オーストラリアやアジア南部に存在 します。フラタリ珪砂は、オーストラリア東北部の熱帯地域の海岸地帯に大量に存在します。サラワク珪砂はボルネオ島北部で採掘されており、大手商社を通じて輸入されています。   ソーダ灰は、化学工業薬品なのでほぼ国産ですし、石灰も国産で賄っております。 各メーカーやグラス工場によって、ベースとなる原材料の組成率は微妙に違います、各工場のマル秘と言われています。製造するアイテム・品目によっても違いますし、成形する方法や生産数によっても微妙に変わっています、グラスをよく見ると各メーカー・工場によって透明の感覚が違うのはこのためです。

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  • 7月 30, 2024

    68|グラスの製造方法、成形方法、加工方法6

    68-グラスの製造方法、成形方法、加工方法 6   皆さん、こんにちは🎵全国的に異常気象で猛暑が続いております、もはや体温越えの39度とか40度とか、スコールのような雷雨も来るし、熱帯化していますね。   昭和世代の我々は、30度を超えると暑い暑いと言っていましたが、打ち水をしたり、冷蔵庫で冷やしたスイカや麦茶で、冷を取っていました。コンクリートの照り返しも、こんなに酷くなかったし、クーラーの室外機の熱風もこんなには暑くなかったと思います。さらに温暖化が進んだら、どんな世界になるのか、考えただけでも暑くなります。   さて、前回は耐熱ガラス、ホウケイ酸ガラスについてお話しました、今回はもうすこし掘り下げてお話していきたいと思います。   ホウケイ酸ガラスは、材料にホウ酸を加えることによって、熱膨張率が低くなり、温度変化に対応できるグラスです。熱い部分と冷たい部分の膨張の違いで発生する引張り応力が許容限界を超えたとき、破壊を引き起こします、そこで熱による膨張が少なければ、熱に強いガラスいわゆる耐熱ガラスとして使えることになります。 各素材には固有の膨張率があります。膨張率を簡単に言えば、温度を1℃上げた場合に、線的にどのくらい伸びるか、を数値で表したものです。いくつかの材料の膨張率を比較すると、ガラス系とセラミック系材料は金属系より膨張率が低い(温度が上がっても膨張しにくい)です。材料と膨張率(×10-6/°C)で、ホウケイ酸ガラスは、3.25。ファインセラミックスは4.4。ソーダガラス9.0、鉄は11.7と大きいです。   さらに熱膨張率に対して、耐熱温度差が変わっていきます。120°C以上400°C未満のものは「耐熱ガラス製器具」と表示し、耐熱温度差が400°C以上のものは「超耐熱ガラス製器具」と表示することに、JISの基準では分けられており、家庭用品品質表示法では、さらに耐熱温度差によって使用内容が変わります。   これらは、商品に必ず表記することになっています、使用目的によって、耐熱ガラスの種類を正しく選んで、お使いください。   使用区分 表示名 耐熱温度差 加熱調理用等に用いられるものであって、直接炎にあてて用いられるもの 直火用 150℃以上 加熱調理用等に用いられるものであって、直接炎にあたらない用途(電磁波によって加熱する用途を除く。)に用いられるもの オーブン用 120℃以上 加熱調理用等に用いられるものであって、電磁波によって加熱する用途に用いられるもの 電子レンジ用 120℃以上 熱湯使用によって用いられる器物であって加熱器具として用いられないもの 熱湯用 120℃以上

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