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  • 7月 23, 2024

    67|グラスの製造方法、成形方法、加工方法5

    皆様、こんにちは🎵先週末は、お休みを頂き、嫁さんと群馬県にある四万温泉に行って来ました、千と千尋の舞台になった江戸時代から続く温泉宿でのんびりリフレツシュしてきました。   さて、グラスの素材によってソーダガラス、クリスタルガラスなどに分けられますが、今回は、理科の実験に使われるビーカーやフラスコ、電子レンジやオーブンなどにも使われる耐熱ガラスの素材、ホウケイ酸ガラスについてお話します。   ホウケイ酸ガラス(漢字では硼珪酸ガラス、ボロシリケイトガラス、英語では borosilicate glass)と呼ばれるものは、ホウ酸を5%以上グラスの材料に混ぜて熔融させ、軟化する温度や硬度を高めたガラスです。通常、耐熱ガラス、硬質ガラスと呼ばれています。熱膨張率が低いため、一般のガラスに比べて熱衝撃に強いまた。耐熱性・耐薬品性に優れていることから、理化学器具や台所用品などに用いられています。   化学的な説明になりますが、ホウケイ酸ガラスは、熱膨張係数が小さいので、熱衝撃温度が高く、熱衝撃や破損に強く耐久性があります、高温でも問題なく使用できる耐熱性があります。酸化ホウ素(B2O3)も多く含んでいるので、化学的にも大変耐久性があります。酸やアルカリと反応せず、化学的安定性があるので、内容物の純度を維持します。鉛や BPA を含まず、化学物質が浸出しないので健康上の安全性があります。また、本来水に侵されにくく、中性であるべきところから“中性ガラス”とも言われています。   ソーダガラスに比べて融解温度が高いため、製造設備やコストがかかります。また透明度がソーダガラスよりも劣ります、その反面、525℃以上でホウケイ酸ガラスが軟化し始め、860℃以上であれば流動化し始めることで、通常のグラスではできない、バーナーワークのような加工ができます。   熱膨張とは、字のごとく温度が上がると大きくなることの係数です、ホウケイ酸ガラスはホウ素原子を添加して軟化作用します。 そのため、ナトリウムが少なくなり、その結果はソーダ石灰ガラスに比べて3分の1程度の膨張になります。硝子は熱を伝えにくいため、グラスの中と外で温度が違うと、その温度差によって硝子に歪が生じて割れてしまいます。冷たいグラスに、熱いお湯を入れて割れるのは、グラス自体が冷たいままなのに、中に逢いお湯を入れるとグラスの中の部分だけ、熱いお湯の温度で伸びます、ところがグラス自体は未だ冷たく固まっているので、伸びる力と縮む力の間で歪が発生して、割れてしまいます。   一般的にソーダグラスは、温度差40度までとJIS(日本工業規格)で決まっています、グラスは製造工程で、1400度もの高温で造るので、熱、温度には強いです。ところが、温度座に弱いです。冷やしたグラスに熱いものを注いだり、熱いグラスに氷を入れることは、割れる恐れがあるので、おやめください。

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  • 7月 16, 2024

    66|グラスの製造方法、成形方法、加工方法4

    皆さん、こんにちは🎵   グラスの種類についてお話していますが、グラス業界でちょっと前までは、クリスタルというと鉛が入っているか、入っていないかの話になります、現在は一部メーカー以外では、鉛の入ったクリスタルは造られていません。一方、一般のお客様は、クリスタルと聞くと高級なイメージになることが多いです。グラス業界も世代によってクリスタルの意味が違うし、お客様のイメージとも違う、ちょっとややこしい話ですが、クリスタルという言葉が一つなので今回は、クリスタルの組成についてお話しますね。   クリスタルガラスはソーダガラスと比べて、高級で高価ですが、重量感、金属音のような音・透明な色・輝きに優れています、中世に発明されたクリスタルグラスは、原料に酸化鉛を入れて製造しておりました、鉛と聞くと危ない危険なもののイメージですが、酸化鉛という化合物になっており、無害です、ISOや食品衛生法の基準があり、厳しく管理されていますので、クリスタルグラスは安全なものと言えます。   とは言え、原料である、酸化鉛を製造工程で使うために鉛を使わない、クリスタルグラスが近年たくさん発明され、現在は鉛を使用しないクリスタルが主流になっています。   酸化鉛を含むクリスタルは、酸化鉛の含有量によって3種類に分けられます。 1.full Lead Crystal(フルレッドクリスタル) 酸化鉛の含有量が30%以上のクリスタルガラスです。最高品質のクリスタルガラスで、光沢があり、重みがあり、美しい音色が鳴ることで知られています。但し、30%以上の酸化鉛を入れると性質上小さい泡がグラスの中に入ってしまいます、イギリスのウォーターフォードクリスタルなどは、泡が入っているからフルレッドクリスタルと言っておりますが、一般のお客様は、高級なクリスタルに泡が入っている??なんてという感覚になります。 2.Lead Crystal(レッドクリスタル) 酸化鉛が24%〜30%未満、含まれているものです。こちらが一般的なクリスタルグラスです、24%PBO、24%クリスタルという表記やシールを見たことがあると思います、カガミクリスタルやチェコの一部メーカーが現在も生産しています。HOYAクリスタルやフランスのARCなど世界中たくさんのメーカーが造っておりましたが、現在は全て製造しておりません。 3.Semi-Lead Crystal(セミレッドクリスタル) 酸化鉛が10%〜24 %未満、含まれているものです。業界では、セミクリスタルと言われており、東洋佐々木ガラスなどが現在も生産しております。   酸化鉛を含まないクリスタルのことを.Crystaln(クリスタリン)と呼びます、酸化鉛以外のバリウムや亜鉛、カリウムなどの金属化合物を入れて開発されました。これらの成分を単体もしくは複合で10%以上含む物をクリスタルグラスまたはクリスタリンと呼びます。ソーダグラスとは別に定義されています。ヨーロッパでは製品材質に対する呼称規制として1970年代にすでにEEC基準として規定され、現在はEU基準として引き継がれています。ソーダグラスと比べ、屈折率、透明度が高く、鉛クリスタルに近いのが特徴です。一般的には、環境にやさしいガラスと言われています。各メーカーによって組成が違い、ブランド名も違います。

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  • 7月 8, 2024

    65|グラスの製造方法、成形方法、加工方法3

    皆さん、こんにちは🎵   6月の終わりから東京では、異常な暑さが続いております。静岡や桐生など40度を超えるところもありますが、東京も35度を超える猛暑日が続いております、梅雨も明けないうちからこんな暑さだと、梅雨明けの更なる猛暑が心配です。水分、休憩をしっかりとりお過ごしください。   グラスの原材料からお話し始めました、原材料の種類によって、ソーダガラス、クリスタルガラス、ホウケイ酸ガラスなどに分けられます、前回はソーダガラスのお話をしました。   そもそも、なんでソーガガラスって言うのか/??それは原材料にソーダ灰を使うからです、ソーダガラスの基本的な原料は、①珪砂 ケイシャ ②ソーダ灰 ③石灰石の3つです。   では、クリスタルガラスは、ソーダガラスの原料に鉛やカリウムなどの金属を入れたものです、元々中世に発明されたクリスタルグラスは、鉛を入れていました、鉛と言っても猛毒の鉛では無く、酸化鉛という別の化合物になっておりますので、人体には安全と言われています。ISO国際基準や食品衛生法で、有毒な鉛の溶出基準が明確に決められ、各生産者は厳格に守ることを義務付けられています。しかし、世の中の流れは鉛に厳しく、RoHS指令(ローズ指令)などで、電気製品・電子製品に使われる、鉛については使用を厳しく制限されているように、鉛を使わないことが世の中の流れになっています、そのため、グラス・ガラス業界も鉛を使わず、別のカリウムやチタンなどの金属を入れてクリスタル、クリスタリンというグラスの開発を進め、現在は鉛を使わないクリスタル(クリスタリン)が主流になっています。   クリスタルガラスとは、水晶のように透明なガラスという意味です。ソーダグラスより、様々な特徴を持っているために、高級品としてブランディングされてきたからです。 1.重量感がある――原料に金属を含むため、ソーダガラスと比べて持ったときに重くしっかりとした重量感があります。2.透明度が高く金属の分子量が多いため光の屈折率が高く、きらきらと輝きます、屈折率はクリスタルの基準で決まっています、そのため江戸切子やカットグラスなどに使われることが多いです、キラキラ輝くことで高級感がより一層増すことで、お客様に好まれて使われています。 3.グラスを弾くと金属音の高音が響きます、ソーダガラスと比べて、キーンという高温がグラスを弾くと聞こえてきます。   とく先代の親父が、グラスを指で器用に叩いてキーンという音を出して、自慢げにこれはクリスタルガラスだって微笑んでいた姿を思い出します。   次回は、鉛を使ったレッドクリスタルと鉛を使わないクリスタルガラス(クリスタリン)について、お話しします。  

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  • 7月 2, 2024

    64|グラスの製造方法、成形方法、加工方法2

    皆さん、こんにちは🎵 先週は、北海道小樽・余市・積丹半島を楽しんで来ました。この時期は、バウンウニとムラサキウニの両方が食べられる、特別な時期です。ここ4年ほど、毎年この時期に雲丹まみれ楽しんでおります、新鮮なのでミョウバンを使わず塩水処理で食べます。このウニ食べたら普通のウニは食べられなくなります(笑)、私も一年分のウニを楽しんで来ました🎵   さて、グラスの加工方法の説明に先週から入りました、そもそも硝子って液体です。原材料を溶かし、ガラス状(液体状)にして、水あめのような状態からグラスの形を作っていきます。   その原材料からお話していきますね、原材料の種類によって、ソーダガラス、クリスタルガラス、ホウケイ酸ガラスなどに分けられます。   ほとんどのグラスはソーダガラスからできています、ソーダガラスの基本的な原料は、①珪砂 ケイシャ ②ソーダ灰 ③石灰石の3つです、これに強度を付けるための材料や色を付けるための材料を混ぜて、高温で溶かしてグラスを造ります。どれもあまり聞いたことが無いと思いますが、いずれも石や砂から取り出される「鉱物」で、案外と身近なものばかりです。   珪砂は、「石英」を砕いた砂です、二酸化ケイ素(Sio2)という物質のことで、シリカとも呼ばれ、硝子の主成分になります。公園や海岸の砂に含まれていて、砂の粒をよく見ると、透明できらきら光っているもの、それが珪砂です。グラスを造るときは、石英などを細かく砕いて使います、現在は、工業的な製造法で造られてもいます。石英の決勝が大きく成長して、六角形の柱のようになったものが水晶です、水晶を削ってグラスの原料にもなります。   ソーダ灰は、灰という名の通り元々は草木を燃やした灰を使っていましたが、現在は塩から作った、無水炭酸ナトリウム(酸化ナトリウム)を使っています、珪砂を溶けやすくする働きになります。ソーダ灰は、グラスを製造するときに使われるだけでなく、石鹸・洗剤や入浴剤の原料や、中華麺を柔らかくする「かん水」に含まれています。   石灰石は、ガラスを固まりやすくする役割になります。黒板に書くチョークにも使われている鉱物で、主に酸化カルシウムを含み、石灰岩から採取します。石灰岩は日本全国に分布しており、200か所以上の鉱山で掘り出されていました、山口県の秋吉台、岩手県の猊鼻渓などは、石灰岩を含む地形としても、有名です。   なぜグラスは透明なのでしょうか//ガラスの主な材料の珪砂は、光を吸収せず冬目度の高い鉱物です、更にガラスの材料は高温で溶けたときに、粒子と粒子の境目が無くなります。そして、溶けたガラスを冷やしてくと分子は寄り集まっただけで規則的に並ばない状態のまま固まります、すると中に入ってきた光が散乱することなく通り抜けるので、グラスは透明に見えるのです。

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  • 6月 25, 2024

    63|グラスの製造方法、成形方法、加工方法1

    皆さん、こんにちは🎵 グラス親父のブログも、グラスの歴史、国内外のグラス工場やメーカーのお話、途中木本硝子の歴史とチャレンジなどを入れながら、一年以上も続いております、毎回楽しみにしているよって声も聞こえてきて、親父は嬉しいです。   今回からは、基本であるグラスの製造方法、成形方法、加工方法などをお話していきたいと思います。極力、初めての方でもわかりやすいようにお話ししていきますが、解りにくいとか、この言葉の意味が分からないとかありましたら、遠慮なくコメント入れてください。 よろしくお願いいたします。   まず、最初に私がグラスの事をお話するときに、皆さんにお聞きすることがあります。 グラスは、気体ですか??液体ですか??固体ですか??と   気体では無いですよね、固体でもなく液体なんです。 常温で固まって見えますが、温度を上げていく液体状になります、水あめのようなイメージです。暖かいと柔らかいし、固まってくると固くなる感じです。   硝子の組成は改めてお話するとして、いわゆる無機質で光を通しますので、基本は透明、またかなり固いです、種類にもよりますが、人の爪のモース硬度(モース硬度は、「あるものでひっかいたときの傷のつきにくさ(引っかき硬度)」)は約2.5、ガラスは約5、ナイフの刃先は約5.5になります。硬くて薬品(酸性には強く、アルカリ性には弱い)にも侵されにくく、表面が滑らかで汚れを落としやすい特性です。グラスだけでなく、車の窓ガラスや建物の窓ガラスや鏡、レンズ、装飾品など市民生活及び産業分野において広く利用されています。また金属表面にガラス質の膜を作った「琺瑯(ほうろう)」や、陶器の表面でツルツルしている部分もある意味グラスと同じ、性質を持ったものになります。   物理的な性質は、密度は水の2.5倍、電気は通しにくくゴムや陶器と同じように絶縁物質としても使われています、但し、温度を上げていくと電気抵抗が少なくなる不思議な性質を持っています。引張強度は鋼鉄の1/10ですが、革のベルトや木材と同じ程度です。   グラスを総称する硝子という範疇になると、身近なビール瓶だけでなく、光ファイバーやブラウン管、ハードディスク、液晶/プラズマディスプレイ、携帯のパーツなど生活の多岐にわたって、使われています。   このうちのグラスについて、次回からお話していきますので、よろしくお願いいたします。  

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  • 6月 17, 2024

    62|グラスの歴史 日本のグラスメーカー、手造りグラス工場について32

    日本を代表するグラス問屋であったカメイガラスは、数多くの工場、メーカーなど国内外の取り組み先様から商品を仕入れ、カメイガラスの企画で商品も作っておりました。   越田クリスタル、ツゲガラス、アサヒガラスなどの手造り硝子工場とも取引しており、数々のグラスを販売しておりましたが、現在は全て廃業しております。残念ながら、私はこちらの工場には行ったことも無く、ネットで調べても情報が出てきません。業界の先輩方に聞いて、こちらにアップしていきますので、少しお時間をください。   千葉県船橋市でグラスを製造していた山谷硝子は、創業1892年(明治25年)で、日本でも有数の手造り硝子工場で、大きな吹きものの花瓶から、小さいミルク入れなど多数のアイテムをたくさんの職人たちで、造り上げていた素晴らしい工場でした、こちらも残念ながら2000年代初期(平成12年)に廃業してしまいました。   ソーダガラスだけでなく、クリスタルガラスも炊いており、色のバリエーションも多く、ある意味何でも作れる器用な工場でした、今は作家としてご活躍の黒川国昭さんはじめ、数多くの作家の皆さんを輩出しました。   江戸切子に使う、グラスが二重構造になった色被硝子や、グラスに色の粉末を塗して吹きあげたり、棒状にした硝子を吹き込んで線状のデザインを施したり、様々な技法を駆使してグラスを作り上げていました。   素晴らしい職人とたくさんの技法を支える生産設備が有っても、残念ながら山谷硝子も廃業してしまいました。   前にもお話しましたが、昭和30年代には、日本には500とも600ともいわれるほど、数多くの手造りグラス工場が東京、大阪などに数多くありました。労働環境は、3Kと呼ばれる、労働集約的な長時間労働の厳しい職場で、更にプラスして、グラスを1500度で溶かす溶鉱炉がありますから、暑さは半端でない。火傷や怪我も多かったです。それが、アメリカから導入した、オートメーションの製造機械によって、大量生産の時代に昭和40年代に入って行きました、大量にそこそこの品質で均一に生産できる機械に、職人の手造りのグラスが真正面から太刀打ちしても、全く敵いませんでした。その結果、みるみるうちにたくさんの手造りグラス工場が倒産廃業していきました、現在はご承知の通り東京都内でグラスを手造りで、作っている工場は僅か3か所しかありません、全国でも10件に満たない数まで減ってしまいました。   現在残っている手造りグラス工場は、機械で出来ないグラス例えば、0.9mmの薄さのグラス、多色展開のグラス、細い足のワイングラスなど特色のあるグラスを作り上げている工場が残っています。

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  • 6月 10, 2024

    61|グラスの歴史 日本のグラスメーカー、手造りグラス工場について31

    皆さん、こんにちは🎵   先週末は、木本硝子がある街のお祭りでした、鳥越神社は、約1370年の歴史を誇るます、毎年6月の例大祭で行われる大神輿の渡御は、毎年多くの地元や観客でにぎわいます。神輿の列の先頭には猿田彦(天狗)や手古舞連、子供たちの持つ五色の旗が錬り歩き、夜まつりになると、提灯をつけた元祖提灯神輿が高張り提灯に囲まれ宮入りします。通称千貫神輿の大きな神輿渡御は約4トン、東京最大の重さがあるといわれ、夜の街を進む姿は壮観です。毎年は数十万人の人出があり、小島、三筋や鳥越町内が賑わいます。   カメイガラスは、問屋として国内外の工場から商品を仕入れているだけでなく、新しいデザインや工場/職人の組み合わせで新しいグラスの世界を作ってきました。   今回は、大阪の吹田でグラスを造っていた日本燈火用硝子工業(株)のお話です。 通称我々はNTクリスタルと呼んでおります。 歴史は定かではありませんが、2007年当時に、創業100有余年の歴史があると、ホームページに記載されています。ほぼ全数をカメイガラス経由で全国に販売していたため、カメイガラス倒産後は、アデリアや東洋佐々木ガラスなどが扱い、その後、廃業を決めておりましたが、特色のあるグラスの要望が全国から数多く上がり、前述した青森の北洋硝子に生産設備を移設し、日本燈火用硝子工業(株)は廃業しました。   代表的なグラスは、クリスタル製の醤油注しRUJUシリーズです、独特のすり合わせによる注ぎ口は、醬油を注いでも瓶から底の方に垂れることのない、尻漏れしないグラスとして人気です、某醬油メーカーが生醤油として、ボトル入りの醤油を販売しているので、ご家庭あの中で醤油さしが無いご家庭もたくさんあるのではと推測いたしますが、エコの観点からは、ペットボトルや瓶から醤油さしに入れ替えて使うことが理想です、重たい手間のかかるなどの理由で、残念ながら醤油注しのマーケットは縮んでいます。   とんかつソースやウスターソース、お酢、ラー油など様々な調味料に対応して、RUJUシリーズはたくさんの醤油注しをラインナップしています、ご家庭のみならず飲食店ではまだまだ現役で頑張っているようです、私の良く行く、街のレストランでもテーブルの上に何種類かのRUJUが並んでいて、いつもほほえましく見ています(笑)   醤油注しや徳利、一輪挿しなど、グラスの肉厚が厚く、人の吹く力では造れないものを圧縮空気を吹きこんで、吹きあげる技法を圧迫製法と言います。日本燈火用硝子工業はこの技法が得意で、数多くのグラスを作り上げていました。 また、圧迫製法以外にも、プレス製法、流し込みなどの技術も持ち、グラスの生地もクリスタルや色ガラスの製造もおこなっています。 現在は、青森の北洋硝子で、これらのグラスは製造されています。  

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  • 6月 3, 2024

    60|グラスの歴史 日本のグラスメーカー、手造りグラス工場について30

    皆さん、こんにちは🎵 私事ですが、三人目の孫が4番目の次女のところで生まれました、母子ともに元気です。ご存じの通り、5人の子持ちですので、孫の数もネズミ算的に増えるのではと楽しみにしております(笑)   さて、今週はカメイガラスの取り組み先の一つである、山形県鶴岡市にある松が岡クリスタルの続きになります。   1961 年(昭和36年)に、クリスタルガラスの製品化に成功し、グラス食器専業メーカーとなり、市場で評価を受け国内外に幅広く販売していきました。特徴は、プレス成型に特化しており、クリスタルの透明な輝きと、丁寧なものづくりの姿勢です。 カメイガラスには、主に花瓶、灰皿、飲食店用の皿鉢の食器などを販売しておりました、クリスタルのプレス成型ですが、カラーバリエーションやグラスのふちを手作業によるあぶりで白くさせる技術で乳白色にしてグラスがあります。   カメイガラス以外にも、飲食店などの業務用食器をプロデュースしている、水崎硝子のグラスも松が岡クリスタルは製造しております。カットグラスのような文様デザインをプレス加工して製造したグラスや、皿鉢は高級割烹や飲食店、旅館などで人気です、国内だけでなく海外の和食・寿司店などでも使われています。   カメイガラスが倒産した後は、一部の商品はアデリア(前述)が型を引き取り、継続して松ヶ丘クリスタルの商品を販売しております、飲食店で使われると割れたときには基本同じものを購入します、そのためリプレイスメントと専門用語では言いますが、継続的に購入できることが、お客様である飲食店とグラスを扱う業者の暗黙の了解になります。 特に、高級店では一部のもしくは数個のグラスが割れても、元々使っている他のグラスが残っているため、補充は同じデザインのグラスを希望します。   ワイングラスやタンブラーなどは、同じようなサイズデザインのものがありますが、松が岡クリスタルなどの独特のグラスの場合は、同じデザインの継続性も重視されます。   また、アメリカで製造していたミルクガラスの Fire-King アイテムは、1986年(昭和61年)に生産を終了しています。その後、松が岡クリスタルでは、試行錯誤を重ね2011年(平成23年)から製造しております、大手取引先であるカメイガラスが倒産した後は、経営的にも苦労しておりましたが、近年陶器を扱う業者が出資して再スタートをしたようです。 全国的にも、手造りグラス工場が減っていく中、新しいチャレンジでグラスの製造を継続していただけることは、業界のみならずグラスをお使いになる消費者にとっても良いことです。頑張って欲しいです♪  

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  • 5月 27, 2024

    59|グラスの歴史 日本のグラスメーカー、手造りグラス工場について29

    皆さん、こんにちは🎵   先週末は、木本硝子のある東京・台東区をモノづくりでマチを盛り上げる活動、「台東モノマチ」が開催されました、2011年に第1回が始まり、今回は第15回と毎年続いている、有志による自主運営イベントです。台東区南部は、昔から職人の多い街で革小物、帽子、伝統工芸、ジュエリーなどのパーツから加工、デザイン、問屋、箱や箔押などの多種多職種のモノづくりが盛んです、地元の次世代の子供たちに、モノづくりを体験してもらって興味を持ってもらったり、たくさんの皆さんに普段見ることの出来ない工房見学や、ワークショップの体験を通じて、たくさんの皆さんにこのエリアを知っていただき、元気な街にしようという活動です。   10数年続けているうちに、おしゃれなショップやアトリエ、そして飲食店などが増えていき、メディアにも蔵前・御徒町・鳥越などのキーワードが出るようになり、昔は土日なんて人が歩いていなかった寂しい街が、今では土日は子供連れや若いカップルが増え、賑やかになってきました。イベント期間中だけでなく、普段もにぎわうようになり、嬉しいです。 今年は、終わってしまいましたが、来年2025年も5月に開催予定です、ぜひお友達やご家族を誘って、モノづくり体験&下町街歩きを体験楽しんでください。 https://monomachi.com/     さて、モノマチの話になってしまうとついつい熱くなってしまいます(笑) 今回も、カメイガラスさんの取り組んでいた、日本のグラス工場のお話をしていきます、前回は青森の北洋硝子でした、今回は山形県鶴岡市にある、松ケ岡ガラス工業、通称松ヶ岡クリスタルをご紹介します。   松ヶ岡ガラス工業は、山形県鶴岡市で1944年(昭和19年)の戦時中に、松ヶ岡航空株式会社として創業し、航空機の計器部品を製造していました。1946年(昭和21年)に現在のグラス工場としての前身となる松ヶ岡工業株式会社に社名を変更し、グラス専門の製造工場として再スタート、漁業用ガラス器具の浮き球や瓶類の製造を始めました。その後、時代の流れとともに1958年(昭和33年)には、自動車照明ガラスのニーズに応え、加工などにも力を注いできました。 1961 年(昭和36年)に、クリスタルガラスの製品化に成功し、グラス食器専業メーカーとなり、市場で評価を受け国内外に幅広く販売していきました。特徴は、プレス成型に特化しており、クリスタルの透明な輝きと、丁寧なものづくりの姿勢です。これが現在の松ヶ岡ガラス工業のスタイルとなっています。今では、カラフルな色ガラスの商品に挑戦しており、一部耐熱ガラスのグラスなどもチャレンジしています。

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